あなたは出来上がった酵母エキスをどのように保存すればいいのかを考えた事がありますか?
また、世の中に出回っている情報の中で、保存方法がいろいろあり、どの方法で保存するのがいいのか迷っていないでしょうか?
私がレッスンで教えている保存方法と、なぜその保存方法をにしているのか、紹介したいと思います。
一般的に見る保存方法
保存方法としてよく見かけるのは、ビンでで酵母エキスを作ったあとに、素材をそのままビンの中に入れたまま冷蔵庫で保存するという方法です。
生徒さんからもよく聞かれるのですが、
『本では素材はそのままビンに入れて冷蔵庫で保存すると書いてありましたが、その方法ではダメなんですか?』
もちろん、そのような保存方法もあります。
ですが、私はその方法は推奨していません。
その理由としては、せっかく育った酵母菌の全てを使い切るということが出来ないからです。
何のことを言っているのか分からないと思われるかもしれませんね。
詳しく説明しますと、酵母菌というのはエキスだけではなくて素材そのもの、たとえばレーズンであればレーズンの表面、ミカンであればミカンの皮や果実などの中にもたくさん住んでいます。
酵母菌を培養していく間に、そこにたくさん増えるようになります。
ビンの中に素材を入れたまま冷蔵庫に保存をして、使うときにエキスをくんで使うと、その素材の表面や中などに存在する酵母菌までは取り込めていないことになります。
そうすると、膨らみの悪いパンに仕上がってしまいます。
ですから、この方法での保存はオススメしていないと言うわけです。
オススメの保存方法
私がオススメしているエキスの保存方法は、しっかりと果実を絞って別の容器に入れるというものです。
別の容器というのは、大きめのペットボトルに入れます。
どのように絞っていくのか、ご説明しますね。
出来上がった酵母エキスの絞り方
エキスの中には酵母菌がたくさんいます。
また、ビンの底に溜まっているオリの中にもたくさんの酵母菌が住んでいます。
さらに、果実などの中にも酵母菌がいます。
それらの酵母菌全てを、余すことなくこしてあげたいので、まず、瓶の底にたまっているオリをしっかりとエキスの中に溶かし込んで、絞ってあげるということが大切です。
絞る際に使用するものは、清潔なフキンもしくは強めのキッチンペーパーを使ってください。
以前、私は、こすためフキンを準備していたのですが、それを洗って漂白して乾かすということをして面倒になったので、今は、クックアップという強めのキッチンペーパーを使っています。
これがなかなか使い勝手が良くて、しっかりと絞っても破れにくいんです。
酵母エキスを絞るのに本当に適していると思います。
それでは、絞り方について説明していきます。
きれいに洗って乾燥させたペットボトルの上にろうとを置いて、その上にキッチンペーパーなどを敷きます。
最初にビンの中のエキスと素材をろうとに1/3程度入れます。
ビンの中のエキスが少し減った状態で、底にあるオリをエキスの中に溶かし込んで、数回に分けてろうとに移していきます。
これ以上は絞りきれないというくらいにしっかりと絞ってください。
広げたらカスしか残っていないという状態になるはずです。
そこまでしっかりと絞っていただくということが、酵母菌を余すことなくエキスの中に溶かし込むということになります。
絞り方の実践動画もありますので、そちらも参考にしてくださいね。
保存容器の大きさはどれぐらいがいいの?
出来上がった酵母エキスは、絞ってペットボトルで保存していただきます。
ペットボトルの大きさは、どれぐらいがいいのか?
というご質問もよくいただきます。
ペットボトルはできるだけ大きいものを使用してください。
出来上がった酵母エキスは、酸素が少ない状態で置いてあると、冷蔵庫の中でも発酵してしまいます。
発酵をさせてしまうとエキスとしての力が弱まります。
だから、発酵をさせないように、大きめのペットボトルでいつも空気に触れているような状態を作ってください。
目安としての大きさは・・・
出来上がりのエキスの量の5倍ほど
がいいかと思います。
300ccできたのであれば、1.5リットルのもの。
そう考えていただくとわかりやすいかと思います。
冷蔵庫の中では、扉のところでもいいし、棚に寝かしておいてもいいし、ペットボトルであれば漏れる心配もありません。
また、万が一、冷蔵庫の中で発酵しても危険が少ないです。
ガラス瓶での保存は、万が一エキスが発酵してしまった場合、割れて危険です。
作った酵母エキスを長持ちさせよう!
今回は酵母エキスの保存方法についてお伝えしました。
どれかが正しいというのではなくご自身のやりたい方法をやっていただいたら良いのですが、ひとつの保存方法ということで紹介させていただきました。
出来上がった酵母エキス、せっかくだから長持ちさせて大切に使いたいですね。
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