パンを作り始めるときに知っておいたほうがいい知識というものがいくつかあります。
これを知っているのと、知らないのでは、パンの仕上がりに違いが出ることはいうまでもありません。
ぜひ、学んでご自身のパン作りにいかしてください。
手作りパンを作る温度と時間
パンを作るのに大切なのが発酵温度と時間です。
パンの一次発酵で最適な温度は28℃。
この温度さえ覚えておけば、レシピ通りのパンが出来上がるでしょう。
逆に言えば、28℃より高い温度だと、発酵の進みが早く、低ければ遅いということになります。
また、その他には捏ね上げ温度も影響してきます。
自家製天然酵母の場合は、長時間発酵させるので、捏ね上げ温度はそれほど気にしなくても大丈夫です。
でも、イーストでパンを作るのであれば、捏ね上げ温度も気をつけなければなりません。
ハード系のパンを作る場合は捏ね上げ温度を24℃、リッチなパンの場合は28℃を目安に捏ね上げましょう。
捏ね上げ温度が低かった場合
捏ね上げ温度が低いのであれば、お湯の入ったボウルに生地の入ったボウルを浮かせて少し温めてこねます。
ここで注意が必要なのが、熱湯を使ってはいけないということ。
熱湯を使ってしまうと、ボウルに接している部分の生地に火が通ったのと同じようになってしまいます。
人肌より少し高い40℃程度で温めてください。
こねあげ温度が高かった場合
こねあげ温度が高かったら、生地を平らにし、ベーキングシートに乗せて冷凍庫に入れます。
長いこといれてしまうと、乾燥して温度が下がりすぎてしまうので1分ずついれて様子を見ます。
生地を冷凍庫から出したらよくこねて、温度を確認しましょう。
手作りパンの生地作り
初めて手作りでパンを作った人は、手作りパンは固い!というイメージがあるかもしれません。
そのほとんどは、こね不足が原因です。
こね不足のパン生地は、発酵中にイーストから出たガスを包み込むグルテンが不足しています。
その為に、きちんと発酵することができずに、焼き上げた時に膨らみきれずに、固くコロコロしたパンに仕上がってしまうのです。
上手なパン生地のこね方
生地を作るときのコツは、粉と水の絶妙なバランス。
と言っても、初心者にはレシピの組み立ては難しいでしょうから、自分でアレンジなどせず、まずはレシピ通りにやることをオススメします。
生地は手ごねの場合、力を入れてしっかりこねます。
手先でこねるのではなく、生地をこね台にすりつけるようにして、体重をかけながらこねていくといいでしょう。
台に叩きつけて張りを出させて完成です。
最初から油脂を入れてしまうと、グルテンができにくい為、こね時間が長くかかってしまいます。
油脂は最初から入れるのではなく、パン生地の8割程度ができあがった時点で入れます。
手ごねでこねる場合、力加減にもよりますが、約20〜30ぐらいかけてしっかりとこねましょう。
そんなにこねてこねすぎにならないの?
パン作りについて色々調べている方は、「こねすぎ」ということを気にするかも知れません。
こねすぎると生地がダレてしまって使い物になりません。
手ごねの場合、こねすぎの状態にまでなりません。
というより、そこまでこねれる人はいません。
ですから、こねすぎを気にすることなく、しっかりこねあげていきましょう。
ただし、機械でこねる場合はこねすぎることもあるので、生地の状態をしっかり見ながらこねていくといいでしょう。
手作りパンのレシピの読み方
パンのレシピに記載されているパーセンテージ、何かわかりますか?
これはベーカーズパーセントと言って、粉を100%とした場合にその他の材料がどれぐらい配合されているかを示したパーセンテージです。
ベーカーズパーセントが記載されてあると、粉の量を自分で好きな量に変えることができます。
例えば、レシピには強力粉は150gで記載されていても、250gにしたり350gにしたりと変更が可能です。
家族の人数や食べる量に合わせてレシピのグラム数を変更できるという利点があります。
ただし、レシピの強力粉の量を変更する場合は、ベーカーズパーセントにしたがって材料一つずつのグラム数を出す必要があります。
ベーカーズパーセントは材料を全部足して100%になるのではないということを知っておくといいでしょう。
手作りパンに必須のイーストの働きと温度の関係
手作りパンを作るのに欠かせない、イースト。
家庭では一般的にインスタントドライイーストを使います。
この、インスタントドライイーストの働きを温度帯ごとに見てみましょう。
0〜5℃
保存に適した温度です。
この温度帯ではイースト菌は休眠状態になりますので、保存する場合は冷蔵庫で保存しておきましょう。
27〜30℃
一次発酵に最適な温度です。
イースト菌が活発に活動する温度帯です。
生地のこねあげ温度もできるだけこの温度帯に近づけるよう工夫する必要がありますね。
36〜40℃
パン作りは、一次発酵が終了した生地を分割して丸め直してベンチタイム(生地を休ませること)、ベンチタイム終了した生地を成形して二次発酵させます。
この二次発酵に適した温度がこの温度帯です。
もちろん、パンの種類によって二次発酵の温度は変わってきますが、リッチなパンはこの温度帯で二次発酵をすると考えていいでしょう。
ちなみに、この二次発酵のことを【ホイロ】と呼びます。
60℃以上
60℃以上になるとイーストは死滅します。
オーブンの中に入れると、しばらくはボリュームが出て膨らんできますが、ある一定になったら膨らみが止まります。
これは、パンの内部が60℃に達してイーストが働かなくなった為。
その状態でパンの形が固定されるのです。
パン作りの基本を押さえて美味しいパンを作りましょう
パン作りの基本をマスターしておけば、あとは怖いもの無し!
どんどんパンを作ってください。
パン作りが上達する秘訣は、何度も繰り返しパンを作ること。
いろんな種類のパンを作ることです。
同じパンを何度も作るのは、気温や湿度によって同じレシピでも若干生地が違ってくるというのが分かるから。
いろんな種類のパンを作るのは、種類の違いによってパン生地の仕上がりが違うということが分かるから。
美味しいパンライフを楽しみましょう♪
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