パンのレシピを見ていると、一次発酵の途中で「パンチ」という作業が出てきます。
パンチ?
グーパンチすることかしら??
レシピ本を見ていたら、グーでガスを抜いている写真をたまに見かけますよね。
本当のパンチとは、グーパンチではありません。
ではどうするのか?
そして、パンチをするとどういう効果があるのか?
詳しくお伝えしたいと思います。
パンチとは?
パンチとは、どのようなことを言うのでしょうか?
グーパンチではなく、次のような行為のことをパンチと言います。
こねあげた生地を、発酵の途中で一度発酵容器から出して、平に叩いて押しつぶし、そのあと三つ折りか四つ折りを行い、容器に戻すことをパンチと言います。
そして、またもう一度生地を発酵させて膨らませます。
この三つ折りや四つ折りの作業を「パンチ(ガス抜き)」と呼びます。
パンチを入れたら生地が痛まない?
せっかく膨らんだ生地のガス抜きをして大丈夫なのか?
不安になることもあるかともいます。
きちんと生地を扱えば、痛むこともありませんが、間違った方法で行うと生地を傷めてしまうことがあります。
傷めないためにどのような方法でパンチを行えばいいのかと言うと、容器から生地を出し、台に出した後は、生地に充満したガスを押しつぶすような感じで、上から押し広げてガスを押し出します。
そのあとに三つ折りや四つ折りをして、再度容器へ戻して発酵を続けます。
傷めてしまうパンチの方法
パンチの時は、ガス抜きをするだけでしょ?
だったら、こねてもいいんじゃない?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
パンチの時にこねると、確かにガスは抜けます。
ですが、せっかくできたグルテンの網膜状の組織も壊してしまうんです。
グルテン組織が壊れてしまえば、パンチの後の発酵で新たに発生するガスを保つことができません。
そうすると、パン生地は膨らむことができなくなってしまうのです。
こねると言う作業は、発酵後は生地を痛めると言うことにしかならないのです。
パンチを入れると何がいいの?
一次発酵の時に、なぜこのようなパンチという手間をかけるのでしょうか。
パンチをせずに、そのまま発酵させるのと、パンチを入れるのは何か違いがあるのでしょうか?
パンチを入れることで生地が改善される
パンチを入れることで、生地の状態を改善できることが3つあります。
まずはパン生地の中にある空気やガスの大きな気泡を、多数の小さい気泡に分散させることができます。
それにより、パンの内相部分のキメが細かくなります。
そして次に、生地を叩いたり潰したりといった力を加えることで、生地中にたくさんあるグルテン組織を直接刺激して、グルテン膜が膨れていく時の張力を強化できるのです。
その結果、パンきじがよく膨らんで、パンのボリュームが大きくなります。
最後に、酵母が排出するアルコール類を放出し、新たに空気中の酸素を生地に混ぜ込むことで、酵母の活性を強めます。
そうすることで、炭酸ガスの発生が多くなり、パン生地の発酵を促進して、パンのボリュームを大きくするのに大変役立つのです。
パンチを入れたほうが断然美味しいパンが焼ける!
ご覧いただいた通り、パンチを入れることで、パン生地に効果的なことがあるということはお分りいただけたと思います。
それぞれの原因が相乗効果を生み出して、パン生地の改良に一役も二役も役立ってくれるのです。
パンのボリュームや内相のキメの細かさなど、プラスになることが多いですので、積極的にパンチを施すことをオススメします。
コメント