自家製天然酵母のパンを食べたことがありますか?
しっとりしていて旨味たっぷり。
どうやったらこんな美味しいパンができるんだろう?と興味を持たれることがあると思います。
でも、どうやって作ったらいいか分りませんよね。
そこで、自家製天然酵母パンで美味しいパン作りを行うための必殺技をお伝えしますね。
自家製天然酵母でどうやってパンを作るの?
自家製天然酵母パンを作るには、酵母エキスを作る必要があります。
酵母エキスが出来上がったら、どうやって自家製天然酵母パンを作るのか、気になりますよね。
自家製天然酵母パンの作り方は大きく3つあります。
その3つについて紹介したいと思います。
ストレート法
ストレート法とは、パンの仕込み水の一部に自家製天然酵母エキスを使用してパン作りを行う方法。
使う量は水分を全部置き換えるのではなく、20〜50%程度を置き換えます。
ストレート法でパン作りを行うと、酵母の風味が強く出るため風味豊かな酵母で作るととても美味しく出来上がります。
その反面、自家製天然酵母エキスが弱かった場合は生地が発酵しなかったり、酸味が出たりと失敗するリスクもあります。
パンを作るまできちんとできるかどうか分からないのも、ストレート法のデメリットです。
前種(中種)法
前種(中種)法とは、材料の一部と自家製天然酵母エキスを使って種を作り、残りの材料と種を合わせて本ごねを行う方法のことです。
前種(中種)法で種を作ると、自家製天然酵母エキスの力具合が分かるので、もし使用した酵母エキスが弱く、種作りに失敗したとしても、種を処分するだけでいいのでオススメです。
もし、自家製酵母エキスが強くて種がしっかり発酵したとしても、発酵力はまだまだ弱く、パン作りの時の発酵時間が読めないというのがデメリットです。
元種法
元種法とは自家製天然酵母エキスと粉を使用して発酵させ、その発酵種に数回小麦粉と水を加えて培養する方法です。
もしも、自家製天然酵母エキスの力が弱かった場合、1回目の培養で分かるので材料のロスが少なくて済むのが特徴です。
逆に酵母エキスが強かった場合は、そのまま続けて種作りをすることが可能です。
ただし、種が出来上がるまで時間がかかるため、すぐにパン作りしたいと思う人は、待つのが苦痛になる可能性もありますね。
でも、種が熟成し出来上がった場合は、一次発酵の時間も読めるので、余裕を持ってパン作りをすることができます。
ですが、デメリットとして、多くの自家製天然酵母において、酵母の素材の風味が若干薄くなるということが挙げられます。
自家製天然酵母で元種を使ってパンを作る利点
私は、教室で教えるときは、ストレート法や中種法よりも元種を使ってパン作りをすることを推奨しています。
コースレッスンの中に中種法を使用したパン作りを紹介していますので、ストレート法や中種法を否定するつもりはありません。
ストレート法作ったパンは、自家製天然酵母の素材の香りなどがダイレクトに感じることができるパンですし、中種法はその製法を取ることでふわふわのパンが作れます。
ではなぜ、私が元種法を使うことを推奨しているのかについて紹介しますね。
自家製天然酵母エキスの強さを見極められる
元種を作るには、最初に出来上がった自家製天然酵母エキスと粉を合わせて発酵させます。
まず、その段階で、酵母の強さを見極めることができます。
酵母エキスが強ければ、遅くとも12時間以内に倍に膨らみますが、そうでない場合はそれ以上待っても全く膨らむ気配もありません。
それどころか酸っぱい匂いがしてきますので、その段階でエキスが弱かったんだと判断できるので、エキスに餌を与えて様子を見るなど、その後の対応も可能です。
かけつぐことで種が安定する
最初に酵母エキスと粉を加えて酵母を培養した後、数回に渡り粉と水を加えて種を培養します。
種をかけついでいくとよく分かるのですが、最初は発酵にものすごく時間がかかっていたものが、だんだん時間が短くなっていきます。
それは、酵母がどんどん増えて、発酵時間が短くなっているからです。
酵母が増えるということは、発酵が安定して発酵時間の目処がつきやすくなります。
そうすれば、何時間後に何をすればいいのかわかりやすくなるので、生活リズムの中にパン作りを組み込みやすくなるというわけです。
自家製天然酵母元種の作り方
自家製天然酵母パン作りにおいて、元種を作ることで種が安定し、発酵時間が読めるという利点があるとお伝えしました。
当教室でお伝えしている、初心者でも作りやすい元種の作り方をお伝えします。
1.自家製天然酵母エキスと強力粉を合わせる
まず最初に行うことは、自家製天然酵母エキスと強力粉同量を合わせて酵母を増やしてあげることです。
ここでは白い強力粉を使いますが、全粒粉を使っても構いません。
ただ、覚えておいて欲しいのは、全粒粉を長時間発酵させると、酸味が出やすくなるという危険性があります。
この後、数回にわたって粉と水を加えて酵母を培養するので、自家製天然酵母の酸味が苦手な方は最初は強力粉でスタートするのがいいですね。
ここでは、約2倍になるまで発酵させましょう。
2.発酵した種に強力粉と水を加える
1回目で2倍になるまで発酵させた種全量に、次は強力粉と水を1回目と同量加えてしっかり混ぜ合わせます。
ここでも2倍になるまでしっかり発酵させます。
3.発酵した種に全粒粉と水を加える
全粒粉は長時間発酵させると酸味が出やすくなります。
そのリスクを避けるために、最後の方で入れることをオススメします。
ここでは、2回目に発酵させた種全量に全粒粉と水を1回目と同じ分量加えてしっかりかき混ぜ、2倍になるまで発酵させます。
2倍になった段階で、元種作りは完成です。
半日以上冷蔵庫で寝かせてからパン作りを始めて下さい。
ストレートや中種より元種の方が発酵力が安定している
自家製天然酵母パン作りは、一般的に難しいと考えられています。
その理由はたくさんあるのですが、その中の一つが
時間が読めない
ということが挙げられると思います。
発酵に何時間かかるかわからないから難しい。
せっかく美味しいパンが焼けるのに、とってももったいないことだと思っています。
元種を作ることで、自家製天然酵母パン作りが一気に楽しくなることは間違いないです。
ぜひ、元種を作ってパン作りを楽しんでくださいね。
もちろん、ストレート法や中種法を否定しているわけではありませんよ。
これらの製法で作ったパンは、酵母の香りが強く出てものすごく美味しいのもわかっていますから。
ご自身のライフスタイルに合わせて作ってみて下さいね。
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