自家製天然酵母で作るパン生地の冷蔵発酵ってできる?オンラインでも教える自家製酵母のプロの先生が解説!
こんにちは!
フルーツ酵母パン教室Happy Bakingの幸治里織です。
今日は『自家製天然酵母で作るパン生地の冷蔵発酵ってできる?オンラインでも教える自家製酵母のプロの先生が解説!』ということについてお話しします。
当教室では、フルーツ酵母が日本で唯一学べるパン教室です。
Youtubeで自家製天然酵母について、毎日配信していますのでご覧くださいね。
自家製天然酵母パン生地を冷蔵発酵できないかと思っている方へ
今回は、自家製天然酵母パン生地の冷蔵発酵についてお話をします。
イーストのパンで冷蔵発酵をする人はけっこう多くいらっしゃいます。
冷蔵の長時間発酵ということで、インスタントドライイーストをなるべく少なめにして、冷蔵庫でじっくりと生地を熟成させているという人は、私のレッスンに通われている中にもけっこういらっしゃいます。
その方々に質問をよくされます。
それは「自家製天然酵母では冷蔵発酵ができますか?」というものです。
私の答えとしては、あまりオススメをしていないと、いつもお伝えをしています。
それには理由があります。
自家製天然酵母パン生地が冷蔵発酵に向かない理由
なぜ自家製天然酵母のパン生地は冷蔵発酵に向かないのでしょうか。
冷蔵発酵がまったく出来ないわけではありません。
たとえばベーグルのように目がつまったパン生地であったり、あまり膨らませなくてもいいようなパン生地であれば、冷蔵発酵していただいてかまわないと感じています。
でも、菓子パンの生地や食パンなどのように、ふわっと焼き上げたいパン生地の場合には、冷蔵発酵をしないほうがいいです。
それは、冷蔵発酵をすることによって、発酵力が格段に下がってしまうからです。
イーストの場合であれば、復温して温度をもとに戻してあげればもとに戻るようになります。
でも、自家製天然酵母はどうもそれが苦手のようで、いったん冷えてしまった生地は、復温させてそのあとの作業を進めていっても、なかなか思い通りのパン生地には仕上がりません。
ですから、私はあまりオススメしないということをお伝えしています。
私が作る強い酵母エキス、強い元種で作ってもそんな感じです。
一般的に作られている人の種やエキスを使って作ると、おそらく、オーブンで焼いたときにほとんど窯伸びしないのではないかと思います。
冷蔵発酵した生地とそうでない生地の違いはどれぐらいあるの?
私の教室に通われている生徒さんの中で、忙しくて、レッスンでこねて持ち帰った生地を冷蔵発酵させていたという人がいらっしゃいました。
その人が、家に帰ってはじめてそのまま発酵を続けて、こねから焼き上げまで冷蔵庫に入れることなく焼き上げたときに、まったく膨らみが違ったという感想をいただきました。
それまでレッスンでこねた生地は夜に焼き上げる時間がなくて、自宅に帰ったら冷蔵発酵をしていたということです。
それを、レッスンからもって帰った生地をしっかりと発酵させて焼き上げまでやってみたら、ものすごくふわふわで美味しいパン生地になったということです。
冷蔵発酵と通常の発酵では、それほど違いが出てくるということです。
もともと自家製天然酵母は一次発酵が長時間になるので、その長時間の間に生地がどんどん熟成されていきます。
イーストで行う冷蔵発酵のメリットには、長時間の発酵によって生地を熟成させるというものがあります。
そのメリットを自家製天然酵母に当てはめられるかというと、すでに一次発酵で長時間の発酵をさせているので、熟成させるというメリットを冷蔵発酵によって得ることがないのです。
メリットがないどころか、ふっくらと焼き上がらないというデメリットがあるので、冷凍発酵をせずにストレートで、こね始めから焼き上げまで一貫してやっていただくということをオススメしています。
今回のまとめ
イーストで冷蔵長時間発酵させるメリットは、パン生地を熟成させることにあります。
特に砂糖や卵がたっぷり入ったリッチなパンは、冷蔵発酵して熟成させることにより、うまみが増します。
ただ、イーストでも冷蔵発酵をすると、焼いた時の膨らみは悪くなるんですよ。
ボリュームを出すことよりも、うまみを出したいから冷蔵発酵をする場合が多いんですね。
自家製天然酵母はイーストに比べて発酵力が弱いので、冷蔵発酵をするとさらに膨らみが悪くなります。
最悪の場合には、カチカチのパンになるということもあり得ます(汗)
もし、冷蔵発酵するのであれば、大型なパンよりも小型パンでそれほどボリュームを出さなくて良いもので行う方が無難。
自家製天然酵母パンを作りたいけど、時間がない場合には、どうしても冷蔵発酵に頼らなくてはならない場合も多いと思います。
その時には、この記事を思い出していただけたら幸いです。