古い元種と新しい元種。どちらがふっくら焼けるか大検証!【フルーツ酵母・自家製天然酵母・パン教室|大阪・奈良・東京・福岡・名古屋】

酵母

先日、生徒さんから・・・

「先生!食パンがふっくら焼けません!!」

とご質問をいただきました。

食パンって意外と難しいパンで、粉の種類、こね具合、発酵温度、そして自家製天然酵母の場合は酵母の強さも関係してくる繊細なパン。
特に関西の方は、食パン好きな方が多く、パン作りされている方も、自分の好みの食パンの味を探して作られている方も多いように感じます。

話を戻しますが、ご質問いただいた生徒さんに話を聞くと・・・

作って1週間ほど経った元種で作った。

とのこと。

食パンはボリュームを出さないといけないパンなので、粉選びや酵母の強さは大切です。

で、探究心旺盛な私。

そういえば、質問いただいた酵母で古いのが冷蔵庫にあるし、エキスも少し残っているから、新しい元種作って検証してみよう!

と思ったわけです。

果たして、結果やいかに???

パンがふっくら膨らむコツ

パン生地がふっくら膨らむコツはいくつかあります。

  • しっかりこねられていること
  • ある程度の水分量があること
  • 自家製天然酵母なら種が強いこと

特に私がいつもレッスンでお伝えしていることは

しっかりこねましょう

ということ。

こねが足りなかったら、固いパンになります。
これは、イーストでも自家製天然酵母でも同じです。

でももう一つ、自家製天然酵母パンについていうと、種がしっかり育っていないとふっくらと仕上がりません。

というか、種の前に、強いエキスを作っておかないと、種も強いものができないと言った方がいいかもしれませんね。

パン生地をこねて一次発酵スタート

まず、今回使った酵母とその元種の様子から説明します。

今回使った酵母はいちご酵母。
元種は、2週間以上前に作って水が浮いてきている古い種と、前日に仕上がった新しい種の2種類で同じ配合の食パンを作っていきます。

古い元種のパン生地

まずは古い元種を使ってパン生地をこねていきました。
種の様子は水は浮いているものの、固さもあり、どろっとしていませんでした。
浮いた水分と一緒に混ぜ合わせて作ります。

食パンのレシピは私のレシピの中で一般的なもの。
粉はゆめちからブレンドを使用しました。
バターは発酵バターを使用。

こねあがりはしっかりグルテンもできていたけど、触った時にちょっとゆるい感じがしました。
ちょっとダレているかな?って感じ。

そこから次の生地をこねるために保温せず、常温で30分放置しておきました。

一次発酵はオーブンの発酵機能を使って2時間タイマーをかけ、その後、放置して8時間。
パンチはなし。

新しい元種のパン生地

次に新しい元種を使って生地をこねていきました。
新しい元種は、前日に仕上げたばかりなので、プリプリしていて元気が良さそうな種でした。

レシピは古い元種と同じもので、材料も同じく粉はゆめちからブレンド、バターは発酵バターを使用しました。

こね上がった生地はプリッとしていて気持ちのいい生地。

一次発酵は古い元種の生地と同時にオーブンへ入れて発酵機能を使って2時間保温。
その後は放置して8時間発酵。
パンチはなし。

一次発酵終了→分割・ベンチタイム

一次発酵終了時の生地の様子。
右が古い元種、左が新しい元種。

古い元種の方がふっくら膨らんでいます。

これらの生地を分割して丸め直し、ベンチタイムへ進みました。

二次発酵→焼成

ベンチタイムが終了した生地を成形してパン型へ入れ、二次発酵を行いました。
型は同じ0.75斤のものを使用。

二次発酵の時間は公平を期すため同じ時間にしました(笑)

二次発酵終了時の生地の様子がこちら。

右が古い元種で左が新しい元種。
あれ?古いほうが生地が上がってきていますね。

これを同じタイミングで焼成しました。

右が古い元種、左が新しい元種です。

一次発酵から二次発酵まで、ふくらみが優勢だった古い元種の方がボリュームが出ました。

当たり前のことですが、同じ生地量で作っているので、ボリュームの出た方がふわふわに仕上がっています。

断面を比較してみた

次の日にカットして断面を比較してみました。

しっかりボリュームがでは古い元種の方は、しっかり生地の中に均一に気泡が含まれていてふわふわなパンに仕上がっていました。

逆にボリュームが出なかった新しい元種の方は目の詰まった感じに。
気泡も荒い感じに仕上がっています。

実際に試食したところ、どちらも酸味はなく、美味しいパンに仕上がっていました。
目の詰まったように見えるボリューム不足のパンはどちらかというと角食のような食感。
見た目と反して、意外とふわふわでした。

なぜ新しい元種より古い元種の方がボリュームが出たのか?

私は常に食パンのレッスンでは、

新しい元種の方がボリュームが出る

とお伝えしています。

それに反して、今回は古い元種の方がボリュームが出てしまいました。
それはいったいなぜでしょうか?

元種の水分量が違っていた

パン生地は焼いた時に水分が蒸発することで膨らみます。
なので、水分量が多い方がボリュームが出やすくなります。

レッスンでは元種を作る際の分量はきちんとお伝えしていますが、私自身、ズボラな性格なので元種に関してはきちんと分量通り作ることはありません。

数グラムの誤差はあります(笑)

なので、元種に入っている水分量が違えば、ボリュームに差が出てしまいます。
新しい元種を使ったパンがボリューム出なかった原因の一つが、この水分量の可能性があります。

エキスの力が弱かった

自家製天然酵母エキスは、オリと呼ばれるところにたくさんの酵母菌が住んでいます。
今回使ったいちご酵母エキスは、作りたてではなく、作ってから2週間ほど経ったものを使用。

2週間ほどでは弱くなるということはまずありえませんが、今回使ったエキスは残り少なかったことから、含まれているオリの量が少なかった可能性があります。

オリが少なければ発酵力が弱い種に仕上がることがあるので、こちらも新しい元種で作ったパンがボリューム出なかった原因になる可能性があります。

元種をしっかり休ませていなかった

私のレッスンでは、元種を作ったら半日以上は冷蔵庫で休ませてから使用することをオススメしています。

その理由として、元種を作っている時の酵母菌は、ずっと働きっぱなし。
酵母菌も疲れてしまうので、少し休ませてから使ってあげるとボリュームのあるパンが出来上がります。

今回は、元種が出来上がって半日もせずに使用しました。
そのために、元種が疲れ切っていて生地をしっかり発酵させる力がなかった可能性があります。

ふわふわの食パンを作るには基本が大切!

今回の実験では、古い元種の方がふわふわな食パンに仕上がりました。
その理由は、強いエキスで強い元種を作っていたので、2週間経ってもふんわりした食パンが焼けたのです。

それに反して新しい元種は、基本を無視して元種を寝かさず、早期に作ってしまったことが一番のボリューム不足の原因だと感じています。

元種作りはスムーズでしたので。

このように、何が原因でボリュームが出たのか、逆になぜボリュームが出なかったのか。
わかるようになると楽しいですね。

お願い

*大変申し訳ありませんが、ご自身で作られた酵母エキスの見極め等のご相談は一切お受けしておりません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

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