元種作りの際の観察方法知っていますか?オンラインでも教える天然酵母のプロが伝授します
こんにちは!
フルーツ酵母パン教室Happy Bakingの幸治里織です。
今日は『天然酵母作りでフタをしないわけを自家製酵母のプロの先生が説明します』ということについてお話しします。
当教室は、フルーツ酵母が日本で唯一学べるパン教室です。
Youtubeで自家製天然酵母について、毎日配信していますのでご覧くださいね。
元種作りできちんと観察したことがない方へ

今日は、元種を作る際にしっかりと観察してほしいポイントについてお話をします。
元種作りで失敗される人はけっこう多いです。
その理由として、元種を作っている最中に過発酵にさせてしまうことが多いようです。
元種が過発酵になってしまったから、作るパンが酸っぱいということになってしまいます。
そして、種が過発酵になっていることに気づかずに使ってしまっています。
それで、どこをどう観察すればいいのかということについて今回はお伝えします。
もしかしたら、みなさんが思っていることと違ったことをお話するかもしれません。
でも、それもひとつのアイデア、考え方として捉えていただければと思います。
元種が膨らむのに時間がかかるから観察をしないのはダメです
まず、天然酵母というものは発酵するのに時間がかかるということは、みなさんもご存知だと思います。
そして、時間がかかるから、元種作りの時も油断して「まだ大丈夫だ」と思って過発酵にさせてしまうことが多いわけです。
元種を作るときには、最初に天然酵母エキスと粉をあわせて混ぜて発酵させます。
この状態では、ものすごく時間がかかるのは当然のことです。
私が作っている天然酵母エキスだと、だいたい12時間以内には2倍に膨らんできます。
そこで、まだ膨らんでいないと感じてしまって時間を置いてしまうと、そこで過発酵になってしまいます。
元種をしっかり観察する方法
どういうところを見て、種が発酵しているかどうか確認するのか。
私の教え方としては、作った種に粉と水をどんどん足していって「かけつぎ」を行うタイプのものです。
だから最初から大きな容器で作っていただきます。
でも、容器の底が大きいと、きちんと発酵しているかどうかの見極めが難しいです。
横から見たときに膨らみ具合が分かりにくいので、まだ膨らんでいないと勘違いをして、そのまま置きっぱなしにして、過発酵になってしまったということが多いです。
そういうときにどういうところを観察するのかというと、元種を作っている容器の底の部分です。
たとえばプラスチックの容器を使っているのであれば、それを下から覗いてみます。
そして、底の部分に気泡が溜まっているかどうかを見てください。
底に気泡ができていると、元種が発酵しているという証拠になりますので安心してください。
底にまったく気泡が入っていなくて、のっぺりした状態であれば、まだ発酵していません。
そういうことを、1回目のエキスと粉を混ぜたときに、しっかりと見てください。
ほとんどの人が、1回目で長時間の発酵をさせてしまい、結果的に過発酵にさせてしまっています。
きちんと底を見て、気泡が出ていれば次に進んで良いのだと思っていただければいいです。
元種をかけつぎした後の観察
また、元種は、かけつぎの回数を重ねれば重ねるほど、発酵時間がだんだんと短くなります。
最初に12時間くらいかかっていたものが、最終的には2〜3時間で2倍に膨らむようになります。
それを知らないで、1回目で12時間くらいかかったから、2回目以降も同じように時間をかければいいと思って、途中で気づいたら過発酵になっていた、ということもあり得ます。
そこも注意をしていただきたい点です。
かけつぎの回数を重ねれば発酵に必要な時間が短くなるということを頭においておけば、元種の様子を発酵中に頻繁に確認できると思います。
それをしていただければ、元種の過発酵は防げるのではないかと思います。
まだ発酵しきっていないと勘違いする人の多くは、過発酵になって種がドロっとした状態になっているのを見て、そう思っていることも多いです。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目というふうに、かけつぎを行っていくと、発酵時間が短くなるのだということを頭に置いてください。
そして、頻繁に種の状態を確認していただくのが良いです。
そのように観察をしていくことで元種を上手に作れるようになります。
底の大きい容器を使った場合には、まずは、1回目に、きちんと発酵しているかどうかを、底の部分を観察してください。
いったん、12時間くらいでそのように観察をしていただき、そのあとに粉と水を入れてかけつぎをしても、どんどん膨らんでいくと思います。
今回のまとめ
今回はあまり知られていない、元種の観察方法についてお伝えしました。
この方法はレッスンの受講生の方にいつもお伝えしている方法です。
どこを見たら発酵しているかどうかの判断ができるかを知るのと知らないのでは、元種作りが変わってきます。
元種の作り方次第で、パンがふっくら膨らむかどうかが変わってきます。
上手に元種を作ってくださいね。