元種作りを全粒粉だけでしないのにはワケがある!その秘密をこっそり自家製酵母のプロが教えます
こんにちは!
フルーツ酵母パン教室Happy Bakingの幸治里織です。
今日は『元種作りを全粒粉だけでしないのにはワケがある!その秘密をこっそり自家製酵母のプロが教えます』ということについてお話しします。
当教室は、フルーツ酵母が日本で唯一学べるパン教室です。
Youtubeで自家製天然酵母について、毎日配信していますのでご覧くださいね。
元種作りがなぜ全粒粉だけではダメなのかを知りたい方へ
今日は、元種作りを全粒粉だけで作らないほうがいい理由についてお話をします。
元種を作る際に、全粒粉というものを入れて作ることが多いですが、まず最初に、どうして全粒粉を使うのかということについてお伝えをします。
元種に入れることの多い全粒粉とは?
全粒粉というのは小麦を皮ごと挽いて粉にしたものです。
小麦の皮の外側にも酵母菌が住んでいます。
ですから、全粒粉を使うことによって酵母エキスと合わせて発酵力が強くなるという特徴があります。
したがって、全粒粉を使って元種を作るわけです。
全粒粉に酵母が住んでいるんだったら全てのかけつぎで全粒粉を使ってもいいの?
それほど小麦の皮に酵母菌が住んでいるのであれば、全てを全粒粉にして仕込んでいいのではないかと思われるかもしれません。
しかし、結論から言うとそれは止めたほうが良いです。
なぜかというと、全粒粉というのは長期間の発酵をさせると酸味が出やすくなるからです。
たとえば元種作りにおいて、3回のかけつぎを行うとします。
それを全て全粒粉で行った場合に、ちょっと酸味の強いものになってしまいます。
ですから、できれば元種作りのかけつぎの中の1回だけを全粒粉にして、あとは普通の白い強力粉でかけつぎをしていただくのが良いです。
逆に、全粒粉を使わずに白い強力粉だけでも種が出来るのかというと、もちろん白い強力粉だけでも種は出来ます。
したがって、これはお好みということになりますが、白い強力粉だけで作ってもいいし、全粒粉を1回だけ種の中に入れて膨らませるということも可能です。
しかし、全て強力粉だけで作った場合に比べると、全粒粉が入っているほうが発酵力が増します。
ですから、私のレッスンでは全粒粉を入れるようにお勧めをしているわけなんです。
長期間の発酵をさせないのであれば、全粒粉を使っていただいてかまいません。
元種作りで全粒粉を入れる最適なタイミングはあるの?
また、入れるタイミングというのも意外と重要です。
私は一日ずっと入れに要るので、いちばん最初を全粒粉にして、そのあとを強力粉を継いでいます。
でも、私のレッスンでは後のほうに全粒粉を入れるようにお勧めしています。
それはなぜかというと・・・
私の生徒さんには、お仕事をされている人もけっこういらっしゃいます。
元種作りを長期間にわたって作り続けて、いちばん最初に全粒粉を入れると酸味の強いものになってしまいます。
ですから、その酸味を出さないためにも、後のほうで全粒粉を加えるということをお勧めしています。
また、全粒粉はけっこう水分を吸うという性質があります。
いちばん最後よりも、ひとつ手前くらい、元種作りのスケジュールの中で真ん中くらいに入れるのは良いと思います。
今回のまとめ
今回は元種作りを全粒粉だけでしない理由をお伝えしました。
もちろん、酸味が全く気にならない方は、全粒粉だけで元種作りを行っていただいて問題ありません。
全粒粉だけで作る元種は、発酵力も強くなりますので、そちらを優先したいという場合も全粒粉だけで元種を作っていただいて構いません。
パン作りにおいて、どのような方法で作りたいのか。
考えてから元種を仕込むといいですね。