自家製酵母作りでオリが溜まってもすぐにしぼらないのはなぜ?自家製天然酵母を専門に教えるプロの先生が詳しく教えます!
こんにちは!
フルーツ酵母パン教室Happy Bakingの幸治里織です。
今日は『自家製酵母作りでオリが溜まってもすぐにしぼらないのはなぜ?自家製天然酵母を専門に教えるプロの先生が詳しく教えます!』ということについてお話しします。
当教室は、フルーツ酵母が日本で唯一学べるパン教室です。
Youtubeで自家製天然酵母について、毎日配信していますのでご覧くださいね。
天然酵母作りでオリがたまると、出来上がったと勘違いしてしまうのです
今回は、天然酵母エキスを作っている際に、オリが溜まってもまだしぼらない、ということについてお話をします。
天然酵母エキスを仕込んでいると、早ければ数日でオリが溜まってきます。
瓶の底の方に白っぽい沈殿物が出来てきますが、これがオリと言われるものです。
このオリの中にはたくさんの酵母菌が住んでいて、自家製天然酵母のパンを作るには、なくてはならない存在です。
オリが溜まったらすぐに完成なのか、どのような状態になったらいいのかということを解説します。
自家製酵母作りにおいてビンに溜まるオリの様子
オリが溜まってくると完成したのだと勘違いをして、すぐにしぼってしまう人がよくいらっしゃいます。
ですが、オリが溜まり始めたばかりの自家製酵母エキスは、まだまだこれから溜まっていく可能性を秘めた状態なんです。
あるていど溜まってきたら「もうそろそろかな?」と思っていただいていいのですが、うっすらと溜まったくらいでは、まだまだこれから本番という感じです。
ですから、オリが溜まり始めたから完成ということではなく、これからまだまだオリが溜まっていく可能性があるんだと、もうしばらく様子を見るようにこころがけてください。
自家製酵母にオリがしっかり溜まって出来上がる期間
では、どれくらい様子を見たらいいのかということになりますが、素材によって酵母が出来上がるスピードはまったく異なるものになります。
ですから、全体的にどれくらいなのかはお伝えすることができません。
たとえば、酵母エキスを仕込んで出来上がるまでが早い素材ですと、8日から10日くらいで出来るものがあります。
逆に、ものすごくのんびりな素材だと、何週間も、あるいは1ヶ月くらいかかる自家製酵母エキスもあります。
それを知らずに先にしぼって濾してしまうと、強い酵母エキスが出来ずに、元種にしたりパンを作ったりしたときに、しっかりと膨らんでこないということになってしまいます。
しっかりと自家製酵母エキスの状態を見てオリのたまり具合を確認していただいて、完成までじっくりと時間をかけてください。
どうしても焦ってしまって早めに仕上げようとする人は多いです。
自家製天然酵母で早くパンを作りたいという焦りからか、自家製酵母エキスがまだ出来上がっていないのに完成にしてしまう人がけっこういらっしゃいます。
ですから、その気持をグッと抑えていただき、出来上がりまでのんびり、ゆっくりと、待つようにしましょう。
自家製酵母のオリのたまり方
自家製酵母の完成までの日数は素材によってそれぞれ異なります。
感性を見極めるためには、自家製酵母エキスの育っている状態をよく観察をして育てていただくのがいいです。
目安としての、オリの溜まり具合も素材によってマチマチです。
ビッチリとたくさん溜まるものもあれば、ほとんど溜まらず、うっすらとしか溜まらないものもあります。
だから、オリがあまり溜まっていないからダメだというのではなく、その弱いなりの酵母エキスの中で、しっかりとゆっくりと育ててあげるということも重要です。
自家製酵母エキスの出来上がりの見極め
自家製酵母エキス作りの出来上がりの目安として、素材が発泡するものであれば発泡がおさまってからオリがしっかりと溜まり、エキスが濁っている状態で、甘みがほとんど消えてしまっていることを確認します。
そして、もう1つ、目安として覚えて欲しいことは、素材が沈んでくること言うことです。
素材は、最初に沈んでいたものでも、時間が経つと水に浮いてきます。
それが水面の下に下がってくると、それ以上は酵母菌が増えないと判断してかまいません。
素材が完全に下に沈むまで待っていただいてもまったく問題ありません。
自家製酵母エキス作りというものは発酵をさせているのではなく、酵母菌を増やしているだけなので過発酵になることはありません。
だから、しっかりと待っていただいてかまわないのです。
今回のまとめ
今回は、自家製酵母エキスを作るときに、オリが溜まってもすぐには、しぼってはいけないというお話をさせていただきました。
自家製酵母は、作り始めてしばらくは何も変化がないことが多いです。
ですが、変化し始めると、物凄い勢いで変化をするので見ていても楽しいです。
毎日の変化を楽しみつつ、観察をすると溜まってくるオリの様子もわかります。
ぜひ、参考になさってください。