自家製天然酵母パン作りで成功するための最重要ポイントは、強い酵母エキスを作ることです。
強いエキスができれば、まず、パン作りで失敗することは少なくなります。
酵母エキスを仕込んだら、出来上がるまでほったらかし!
なんて方は残念ながら酵母パン作りには向いていません。
酵母エキスを仕込んだら、気になって毎日しっかりと観察する方の方が多いのではないでしょうか?
今回は観察するときに、どういった所をしっかりと観察していけばいいかということについてお話をしていきたいと思います。
酵母エキスを観察する3つのポイント
酵母エキス作りで観察するポイントを知っていれば、毎回不安になることはないはずです。
そのポイント3つを紹介します。
ポイントその1:エキスの濁り
まず1つめのポイントは、エキスの濁りです。
エキスが濁ってきているかどうかを確認してください。
酵母菌が増えてくると、エキスがだんだん濁ってきます。
濁りがひどくなればなるほど、酵母菌がたくさん増えている印です。
まずは、濁ってきているかどうかを確認しましょう。
たまに、濁ってきたらエキスが腐っているのではないか?と心配される方がいますが、腐っているわけではないので安心してくださいね。
ポイントその2:発泡
2つめのポイントは、発泡しているかどうかを確認してください。
素材の種類によって、激しく発泡するものもあれば、全く発泡しないものがあります。
発泡が激しくなくても、素材の周りに気泡がくっついていれば大丈夫。
ポイントその3:オリ
3つめのポイントは、瓶の底にオリが溜まっているかどうか確認してください。
オリというのは沈殿物のこと。
このオリの中にたくさんの酵母菌が住んでいますので、オリが溜まっているかを確認しましょう。
いつエキスを観察すればいいのか?
いつ、酵母エキスを観察すればいいのか?というところですが、ビンの中に空気を入れていただくときに、必ず観察をしっかりしていただきたいと思います。
観察をすることで、酵母エキス作りが順調にいっているかどうかがよくわかります。
ビンを出すたびに観察するクセをつけていただけると良いです。
色について
まず、色についてです。
酵母エキスを仕込んだばかりのときは透明です。
特に色が付いているわけではなく透明です。
そして、日にちが経ってくると、発泡する素材は発泡してくるし、それと同時にエキスもだんだんと濁ってきます。
ただ、柑橘系などのように、ものによっては発泡しない場合もあります。
ずっとシーンとしていて発泡もしないので、「失敗したのかな?」と、思われがちなのですが、エキスの中では酵母菌がしっかりと活動していて、エキスの色としてはどんどんと濁ってきます。
だから、発泡しなくても濁ってきていれば酵母菌がたくさん増えてきているのだと思っていただければ良いです。
また、エキスが濁ってきているから腐ってきているのではないかと勘違いされる人がよくいらっしゃいます。
そして、その段階で絞ってしまうことがあるのですが、それはまだ段階としては早いです。
まだ絞る必要は無く、エキスが濁ってきたから腐ってきたというわけでもありません。
エキスが濁ってきたということは酵母菌がたくさん増えてきたということの証なので、喜ばしいことだと思ってください。
発泡について
発泡しない素材でも、エキスが濁ってくること以外に確認する方法があります。
それは、ビンの中に空気を入れたときに、細かな気泡がフワーっと上がってきているかどうかということです。
ビンに空気を入れてあげたときに、小さな気泡が上がってきているのであれば酵母菌がしっかりと呼吸をしているという証拠になります。
そこをしっかりと確認してください。
発泡している素材については特にこの観察は必要ないのですが、発泡しない素材はこのこともしっかりと見ていただいたほうが良いと思います。
それから、柑橘系の素材は発泡をしないことが多いのですが、よく見ると、エキスの中の素材に気泡がたくさん付いています。
それも、酵母菌が呼吸をして出たもので、活動をしている証拠になります。
発泡していない素材については、そういったところも観察をしていただくと、ちゃんと活動をしているのだということを感じられます。
オリについて
エキスの色がどんどんと濁ってくると、今度はオリという沈殿物が溜まってきます。
「何か変なものが下に溜まってきた」
「これはヤバいのではないか」
と、思われて、そこで絞りたいという気持ちになる人もいるようですが、オリというのはそこに酵母菌がたくさん住んでいるものです。
それがたくさん溜まれば溜まるほど、その酵母エキスは強いのだと思っていただければ良いです。
オリというのは、白っぽいものが瓶の底に溜まります。
最初はビンの底にフワフワと浮遊をしているのですが、たくさん溜まってくると、瓶を揺らしてもそれがほとんど移動しない感じに積もってきます。
それがたくさん積もってくると、良い酵母エキスになってきていると実感していただけると思います。
しっかり観察して酵母エキスの出来上がりを見極めましょう
最終的な出来上がりの目安としては、澱がしっかりと溜まってきていることと、発泡も落ち着いてきているということを見ていただけたらと思います。
そこでようやく絞っていただくということになります。
最初はなかなか難しいところがありますが、何度か作っていくと観察するポイントもわかってくるかと思います。
ぜひ、参考になさってください。