酵母エキス作りって、目に見えない酵母菌を育てる作業。
どこをどう見たら増えているのかが全くわかりません。
それが、何かの変化で酵母菌が増えているということが分かれば、いいな。
そう思ったことはありませんか?
酵母エキスを作っていて酵母菌が増えてきているというのは、実は目に見えて分かります。
その状態を知っていると、「酵母菌が増えてきたのだ」と、ちょっと安心できるかと思います。
そこで今回は自家製天然酵母エキス作りにおいて、酵母菌が増えているとわかる瞬間についてお伝えします。
酵母パン作りの基本:強い酵母エキスを作る
まず最初に、自家製天然酵母のパン作りというのは、強い酵母エキスを作らなければなりません。
要するに、エキスを作る段階でたくさんの酵母菌を育ててあげるということが大切になります。
ここできちんと酵母菌を育ててあげないと、パン作りで失敗をしてしまう、種作りがうまくいかない、こういった状態になってしまいます。
酵母エキス作りにおいては、酵母菌を増やすということに一生懸命に力を入れていただきたいとこです。
私自身、そう思っていますので、どのような状態になれば、酵母菌が増えてきたとわかるのか、というポイントについて紹介したいと思っています。
酵母菌が増えてきたとわかる瞬間:エキスの色
まず、酵母菌が増えてきたとわかる状態というのが、エキスが濁ってくるというところです。
毎日、酵母が好む温度帯(28℃程度)で温度管理をしてあげて、瓶の中にしっかり空気を送ってあげると、酵母菌はどんどん増えてくれます。
酵母エキス作りというものは、酵母菌だけでなく、他の菌(乳酸菌や酢酸菌など)も一緒に培養しています。
そんな中、酵母菌をたくさん増やすためには、酸素が必要になってきます。
最初の段階は何も色がついていません。
使用する砂糖の種類(素精糖や上白糖、はちみつなど)によって水の色が変わりますが透明です。
そして、ビンの底には何も溜まっていません。
オリという沈殿物も無く、透明です。
仕込んだビンに毎日、空気を入れてあげて管理してあげる。
そして、温度をしっかりと保ってあげるということを続けていくとエキスが濁ってきます。
なぜ、エキスが濁ってきているのかというと、酵母菌が増えてきているからです。
エキスが濁ってくるとちょっと一安心かと思いますので、濁るまでは頻繁に空気を入れてあげて、温度管理を怠らないように、しっかりと管理をしていただければと思います。
日数が経過してくると、最初は透明で濁っていなかったものが、ものすごく濁っていて向こう側が見えない状態にまでなります。
絵や文字をかざしても見えないぐらい濁っています。
酵母菌が増えてきたとわかる瞬間:オリが溜まる
次に酵母菌が増えてきているとわかる瞬間は、オリという沈殿物が溜まってきたら、酵母菌が増えてきたな、と実感できます。
このオリというのがとても大切で、この中にたくさんの酵母菌が住んでいます。
オリがたくさん溜まることで、酵母菌がとてもたくさん増えているので強い酵母エキスになっていると判断できるほどです。
ですが、素材によってはオリがほとんどたまらないものもあります。
オリがたくさんたまらなくても、きちんと育てる方法を知っていれば、強い酵母エキスを作ることができます。
まずエキスが濁ってくる、エキスが濁ってきたらオリというものが溜まってくる。
その2つを確認していただくと、酵母菌が増えてきていることを実感できると思います。
酵母エキス作りで腐るのか?
よく生徒さんや酵母作りに挑戦している方から聞かれることがあります。
それは・・・
「これは腐っているのかどうなのか?」
ということです。
何日間も保温を続けて、エキスが濁ってきて、オリという沈殿物が溜まってくるのが正しいということを知らないと、もしかして色が濁ってきたから、腐っているのではないか?と不安になるのもよくわかります。
酵母エキスというものは腐ったらものすごく変な匂いがします。
顔を近づけて匂いをかいだときに、そこに居られないくらいの匂いがすると腐っていると思っていただいたらいいです。
フルーツの香りやアルコール臭がしているときは、きちんと酵母菌が増えている状態ですので大丈夫なので安心してください。
また、酸っぱい匂いがすると腐ってはいないのですが、酵母菌以外の菌が増殖してしまっている可能性があります。
酵母エキスは多少、酸味のある匂いがしますから、顔を近づけて、顔をそむけたくならないくらいの香りであれば大丈夫だと思っていただいたらいいです。
酵母エキス作りで安心材料を知れば失敗なし!
酵母エキス作りにおいて、酵母菌が増えていると分かればまずは一安心です。
その状態を知っていれば、あとはひたすら出来上がりを待つだけ。
酵母エキスを毎日管理をしていただいて、濁ってくるかどうかをまず確認。
そのあと、オリが溜まるかどうかを確認すれば上手に酵母エキスを作ることができたも同然です。
温度管理をしっかり行い、酵母エキスを仕上げていきましょう!